私がオフショアに興味を持ったきっかけをざっくり
オフショアに興味を持ったきっかけです。
日本のウェブ制作会社にいた時、手が足りなくやむなく格安オフショア会社にフロントコーディングを依頼しました。
エライものが納品されました。 作業し直し、工数的には結局赤字となりました。
なんでこんなものが納品されるのか?ちゃんとクオリティー管理されているのか?!
むしろクオリティー管理さえできればビジネス的にいい線いくんじゃないかって思ったのがオフショアに興味を持ったきっかけです。
クオリティー管理任せておけ!
ヘッドハントされて転職が決まり、強気でフィリピン・セブ島に来てみたものの、ブリッジSEをやってみたらヘドが出るくらい大変でした笑
今回はヘッドハントやオフショアに関して詳しい説明は割愛します。さらに知りたい方はこちらのスライドをご覧さい。
イカしたポートフォリオ作ったら ヘッドハントされたので オフショアしにセブ島に行った話
現場の私からみたオフショアと海外人材(フィリピンセブ島)の特徴
フィリピン人エンジニアと働いた感想をお伝えします。あくまで私個人が感じた感想です。
擁護も卑下もしません。ありのまま現実を紹介します。
1から作るデザインやフロントエンドは微妙
とりわけ、格安オフショアのフロント技術は期待しないでください。
1pxの違いが気になるのが日本人。
おおらかで暖かい国では10pxの違いすら気がつかない人も多いです。
中には繊細な人もいますが、とても稀です。
また日本人のように空気を読む文化も存在しません。BootStrapに当てはまるデザイン一択と思った方がいいです。
ぶっちゃけ、国内の地方の制作会社の方が安くてよっぽどいい仕事をします。
バックエンドや大規模アプリ開発などはイケる
もちろんいいところもあります。バックエンドを任せられるエンジニアは多いです。
言い方悪いですが、美しい処理がなされてるかは別としてバックエンドであれば表面化しないので納品後も気になりません。
依頼先によりますが、1/3から多くて2/3ぐらいコストカットできるのではないでしょうか?
品質は保証できませんがオススメではあります。
バナーなど、ある程度型の決まった量産系作業は得意
パターンの決まったバナーなどの量産は得意です。
パターンを決めてしまえば、バナーやHTMLのページの量産をさせると心強いです。
しかも仕事も早いです。
チェックは苦手
チェックが苦手です。ダブルチェックしようが漏れも多いです。
完全に国民性だと思います。バランガイ(日本でいう役所みたいなもの)などの公的機関の書類でも平気で日にちを間違えます。
すべての日本人ブリッジSEの方はきっとノイローゼになりそうですよね?
その気持ち、よく理解できます。御愁傷様です。
オフショア会社とうまく付き合うポイント
安くて、高クォリティーを提供できるオフショア会社なんて探すのは難しいと思います。
依頼するのであれば十分リスクを理解した上で契約してください。
厳格な納期の案件の依頼は危険
そもそもお客様第一主義や完璧主義の日本の制作会社とは相性が悪いです。
とくに短納期の案件はオフショア会社に依頼するのは危険。
たとえばフィリピン。フィリピンタイムと言って時間を守らないのが文化。
納期や締め切りに関しての意識がそもそも薄いです。
苦言・そもそも短納期の案件を外注すな!
短納期で手が回らなくなったからと言って外注するような仕事の仕方をすることこそ危険です。納期を過ぎて誰かに泣きつくような発注を受けないことです。オフショアだろうがニアショアだろうがフリーランスだろうがそんな案件投げられたら死にます。
売り上げのために無茶苦茶なスケジュール組んでも誰も幸せになれません。むしろ恨まれますよ。
完成度を期待してはいけない
納品物が7 ~ 8割の完成度なんてことも少なくないです。
実は二進も三進もいかなくなり、裏で仕方なく日本人エンジニアが手を動かしていることも多いです。
不完全でもいいからサービスを納品して徐々に改善していきたい。
そんなマインドの企業とは相性がいいです。
対策・しっかりリスクを説明してもらう
オフショア会社に日本のクオリティーを求める自体が間違いです。100圴の商品にデパートで購入できるクォリティーを求めないのと一緒です。
私の知り合いですが、リスクをクライアントに理解してもらって発注を承諾すると言っていました。
メリットばかり説明するような会社には注意しましょう。
注目のラボ型。受託感覚で契約しないで
オフショア会社のウリの1つにラボ型開発というものがあります。
ラボ型開発とは要は人貸しです。
海外エンジニアを人日や人月単位で雇うことができます。
派遣で人を雇っているようなものなので開発が終わったら解散なんてことも可能です。
安くエンジニアを雇えるなんてラッキーと思いますよね?
甘い。
受託案件に慣れている企業はラボ型契約をやらないほうがいいと断言します。
納期が厳格な案件などはクライアントの希望に添えなくなる可能性が高く、非常に相性が悪いです。
- 投入されたエンジニアのスキルが見えにくい
- 納期に責任を持ってくれない
クライアントに納期を急かされてもオフショア会社から「契約上8時間しか働かせられない」などの理由で稼働させることができないなどもザラです。
受託感覚で契約をしたら間違いなく炎上します。
対策・エンジニアの実稼働がわかるようにしてもらう
稼働表などの報告書などをきちんと提出してもらいましょう。実稼働に対して、作業工程や内容が薄いようであれば指摘します。
定期的にミーティングを開くのもオススメです。
契約段階でしっかり話を詰めておいてください。
それでも私がオフショアにこだわる理由
来年2021年こんな大変な目にあったにもかかわらず、仲間とオフショア会社を立ち上げます。
私にとって大切なことは高クオリティーを提供することでも、格安でもないです。
オフショア会社はその国の海外エンジニアに向いている仕事で雇用を生み、クライアントのニーズにあったサービスを提供してこそナンボです。
約2年前、単純に「オフショアはブリッジの質にこだわれば勝機のあるビジネスに違いない」と思い、渡比しました。
現在はクオリティー管理がいかに難しく、育成が一番重要と思い知りました。
さらに、貧困、ロックダウンでさらなる失業。この国のたくさんの現実を見ました。
幸いIT業界は幸運にもネットさえつながれば家でも働けます。
オフショアはフィリピン人の雇用を生み、社会貢献できるビジネスだと確信しています。
ただ、私も偽善者ではありません笑
会社が若いフィリピン人を「育成するプラットホーム」になれば、利益だけでなく感謝も生まれ、将来的に私も幸せになれると確信もしています。
さいごに
今からオフショアサービスを利用しようとしている方へ。
ぜひ上手に相性の良いオフショア会社を選んで長くお付き合いをしてください。
この記事があなたのオフショア会社探しの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。