Webクリエータを目指すリスタート組の君たちへ

Webクリエータを目指すリスタート組の君たちへ

講師キャリアアップ・転職

私は職業訓練校を経て、5年以上経った今フロントエンドエンジニアをしている私がWebクリエータを目指すリスタート組の君たちへ贈りたいリアルなメッセージを綴りました。私個人の意見なのでご了承の上お読みください。

この記事を書いた人

かみーゆ/フロントエンドエンジニア

資金ゼロからフィリピンで起業した海外ノマドエンジニア。IT業界10年以上でテクニカルディレクター(技術責任者)・エンジニア講師・ブリッジSEを経てLenzTechnologies Inc.を設立し、代表を務める。CMS concreteCMSエバンジェリスト。テックブログ以外も「磨耗しない人生」や「海外ノマド」のライフスタイルについて発信。好きなものは肉とハイボール。

最初に

職業訓練やスクールに通って憧れのWebクリエータになりたいと思っている人は多くいると思います。今日は夢や理想の話なんぞしません。どこぞに属しているかとか、キラキラしたお話は一切しません。正直にリアルな話をさせていただきますので、読みたい人は覚悟してお読みください。

IT業界に行こうと思ったきっかけ

私はもともとネイリストかつメイクさんで地元専門学校や某全国区のカルチャースクールでも講師として教壇に立つこともありました。

メイクやネイルの仕事は時間や曜日は変則的で小さい子供を抱える当時の私にはめちゃめちゃ厳しい世界でした。さらにぶっちゃけちゃうとメイクさんの仕事はキラキラしてるばかりで、道具類は自分の持ち出しな上に賃金はサイアクです笑。

その時は結構ネイルで賞をとったりもしてキャリアも築けたのですが、子育てと仕事の両立が厳しくて断念。今までのキャリアを活かして普通の化粧品を取り扱ってる、土日に休める会社に再就職しました。

勤めてみるとメイクさんとしての私の才能は全く活かせずキャリアがどんどん死んでいくの感じ、毎日焦っていました(もちろん、その会社にはとてもお世話になりましたけど)。

どうせ今までのキャリアが死んでしまうなら次は新しいチャレンジをしたいと思い一念発起し退職。

人生はやり直せるし、どうせなら早いうちにやり直した方が傷口も浅くてすみます。ということで、前から興味があったWebクリエータ養成講座に進むことにしました。

職業訓練校〜就職から学んだこと

職業訓練校でHTML、CSS、JS、PHPを学びました。メイクさんだったこともあり本来はデザイナになりたかったのですが、タイミング的にたまたまプログラム系のコースしかなかったです。

今となってはコード書くほうが楽しかったり、直感より解決思考が向いてましたので、この道に進んでよかったと思います。

あの時、職業講話で現場の声が刺さらなければ今の私はいない

職業訓練校では現場で働いている人の声を聞かせてくれる職業講話というものがあります。私が在籍していた学校では、たまたま職業訓練校出身の方が職業講話に来てくださりました。

「学校で学ぶ3倍勉強しないと就職できないよ」と言われました。

ついでに
「普通のことしてたら、
たかが3ヶ月でクリエータになれるわけないだろ」
という心のド直球な声も聞こえてきました。

その時はたった数ヶ月でクリエータになったその人が実践したことを真似るのが、クリエータになる近道だと思いました。

クソ真面目な私は、子育ての合間に勉強しまくりました。教科書は3回やりました。今考えると何とも効率の悪いやり方ですが笑。この言葉がなかったら今の私はいないのでとても感謝してます。

私がやっているフロントエンドエンジニアのことだけ言わせていただくと、進化が早すぎて書籍なんてWebにある情報に追いついてないことがほとんどです。
編集や出版を待っている間に新しい技術が生まれちゃうんですから笑

もちろんとはいえ、良書は山のようにありますよ!
人が人であり変わらないように根本的なマインドは学ぶことが可能です。

特に山崎 大助さんの
レスポンシブWebデザイン「超」実践デザイン集中講義 は随分助けられました。
この本も何度もやり込みました。

ついでに言っておくと、先生の質や、授業の質に不満を言っているうちは未来がないと思ってください。

自分の人生は自分で切り開くものです。

リスタート組で本気でクリエータ目指したいなら、しのごの言う前に手を動かして今の技術を追いかけてください。ただし、効率よくです。今時スポ根なんて流行りませんし、ちょっと工夫すればカンタンに情報は手に入りますし、身につけるのも可能です。

努力が報われる神話は昭和で滅びましたよ!

遠い過去の話ですよ笑

夢を見るのは自由。でも叶えたいなら現実を知れ

寝ても覚めてもコードを書くのが好き、イラレのパスどりや画像加工ならいつまでもしていたい人はスルーしてください。そう自然に思って行動している方はクリエータに向いてます。

クリエータになった自分に憧れているだけの方にとってはこの業界はちょっと厳しいです。

企業は即戦力が欲しいんです。なので、もし本格的にクリエータになりたいなら効率よく最低でも職業訓練校にいる周りの人の3倍の技量を身につけてください。決して3倍勉強する必要はありません笑。それでも、リアルに業界に入ってしまうと下の下だと思っておいた方がいいです。経験値は圧倒的に足りないのですから。

就職後の方も、この業界ではスキルを身につけたり学び続ける必要はありますので覚悟しておいてください。

現実と理想のギャップを覚悟しろ

なんども言いますが現実と理想は違います。

かっこいいからと言ってデザイナーやコーダーになりたいと思ってるかもしれませんが企業はそんな人材は欲していません。かっこいい人間じゃなくて使える人間が欲しいのです。

求められてるのはWeb担だったり、Web解析できてコンテンツ作れるSEOが分かる人材だったりします。地方でもEC系で商品発送やお客様とのメールのやりとりなどしながら合間で自社サイトの改修やバナーをコツコツ作ってほしい企業なら結構あるんじゃないでしょうか。

そういう方面も視野に入れて就活すると勝機はグンと高くなります。

100%理想を叶えるなんてほぼ無理です。私ももともとはデザイナになりたかったのですが、今はフロントエンドエンジニアです。すでに優れたデザイナは山のようにいるし同じ土俵で戦うのは無理でした。コード書く方が面白いし、今ではならなくてよかったとさえ思ってます。

ここで言いたいのは1ミリでも理想に近い職種に就くのがゴールであって、理想を100%叶えることではありません。私たちはご飯を食べていかなきゃいけないのですから笑。夢ばかり見て負け戦を挑むくらいなら、少し視野を広げたり、価値をずらして自分のつきたい職種にニアピンな仕事を探してみてください。

職業訓練校でのゴールはご飯を食べていく=就職することです。

頭でっかちは命取りです。

自分の選んだ道。何があっても人のせいにしたり後悔するな

これはどんな時でも言えることですが、何があってもどんなことがあっても最後は人のせいにしたりしない。

人間だから腐ることもあるし、しんどいこともあると思います。私も幾度となく悩み、腐り、落ち込んできました。そんな中でも救われこの業界でやってこれたのは、私がやっていることを見てくれて評価してくれる人が結構いたからです。おかげさまで幾度となく救われてきてめちゃめちゃ感謝してます。

最終的にどう行動するかが大切ですね。

最終的には自分の就きたい職種につけないかもしれません。でも職業訓練校やスクールでリスタートにチャレンジしたことも自分の考え方一つで価値のあるものに変わります。決してムダにはなりません。

誰かにススメられるがまま選んだ道でも、最終的には自分が選んだということを忘れないでください。どんな結果になろうと人のせいにしたり後悔さえしなければ道は拓けますから。

まとめると

就活で使えそうな材料は一つでも多く揃えろ

くれぐれも言いますが、職業訓練校に入ったのであれば就職することがゴールです。

自分の経験上のお話ですが、職業訓練校に頼りっぱなしだと就職は遠のきます。

一日でも早く就職したければ、スキルを一個でも多く身につけたり、毎日せっせとポートフォリオなどの材料を揃えてください。デザイナ目指すのであれば毎日バナーを作ってください。エンジニアやコーダになりたいなら、一日で作成できるような1ページ完結型のサイトのコーディングするのもオススメです。

最初は真似で構いません。むしろ、下手なオリジナリティを発揮するくらいなら真似してください。バナーやサイトのおまとめサイトから気に入ったデザインなんかカンタンに見つけられます。教材は山のようにあるんです。

最初は下手でいいです。淡々と数をこなすことが大切です。コツコツ毎日作っているうちにスキルがブラッシュアップされていきます。さらに覚悟はいりますが他人に見てもらったり評価してもらうとさらに上達します。

ポートフォリオを作る時はその中から良いものを選べばいいわけですから。

人の意見に程よく耳を傾けろ

とにかく、人の意見に耳を傾けてください。夢見がちな時は冷静にいることが難しいです。

それによく考えてみてください。転職ってかなりの死活問題ですよ。一歩見誤るとご飯が食べていけなくなります。だからこそ人の意見に耳を傾けてみましょう。

ただし鵜呑みじゃなく、良いと思う意見を自己責任で取り入れてみてください。

特に、自分はこういう人間だと決めつける人はやった方がいいです。他人から見れば全く別の姿に見えてるもんです。

多少のハッタリはいいけどウソはバレるよ

虚勢を張って失敗した人も結構います。企業側もバカじゃないからウソはバレます。

そんな人に伝えたいのは

自分の中にある根拠のない自信は捨ててしまえ!

何とかなることは根拠がないと何とかならないです!!!

かと言って過小評価も絶対ダメです。

等身大の自分でいることが大切。

自分で判断できないなら、どのくらい実力があるか判断できる人に聞きましょう。自分を客観視して何が武器で何が足りないのか、よく分析しましょう。

多少のハッタリはいいけど、そのハッタリを将来的に補えるかよく考えてからにしましょうよ。

最終的には人柄が重視される

スキルがなくても伸び代があれば採用の確率はグーンと上がります!

イマドキのIT企業はスタッフにEQ(心の知能指数)を求めています。

中国のEC大手のアリババ創始者、ジャック・マー氏も人に大切なのは「IQ(知能指数)」「EQ(心の知能指数)」「LQ(愛の知能指数)」と言ってます。

IT業界といえど所詮会社って人の塊。だから、人間性が大切なんですよ。人間がピー(放送禁止用語)な人はいらないというのが本音だと思います。みかんが一個腐ってたら全部腐るように組織も腐ります。つまり、仕事の質が落ちたり生産性が下がるということです。

中には職業訓練校卒で未経験でも就職せずに運よく独立できた人も知ってます。大抵は勘がよかったり、元々人間力が高かったり才能がある人で、別格と思った方がいいです。前職でも才能を発揮していた人が大半です。

ネガティブな理由で独立した人は大抵失敗します。私も一旦仕方なくフリーランスになりましたが、食べていくために会社に勤めることにしました。世の中そんなに甘くないんですよね。。。

この業界で生きていくと決めたならお作法を知るために、最低一度はWeb業界の企業に就職することをオススメします。

最後に。自分の強みを知れ

Webクリエータを夢見て、職業訓練校やスクールの門を叩く人は多いと思います。

他業種からの転職も決してネガティブではありません。前職で得たスキルが、Web一本でやってきた人とは違うものを持っていて思わぬ才能を発揮する方も目の当たりにしてきました。

また、デザイナやコーダ、プログラマばかりがこの業界の全ての仕事ではありません。自分にあった仕事を見極めて就活に臨んでください。

幾度となく苦渋を舐めてきたリスタート組の私だから言える本音を綴らせていただきました。 最後まで読んでくださりありがとうございます。