初心者コーダーに贈る!超軽量高機能エディターVS Code入門3

初心者コーダーに贈る!超軽量高機能エディターVS Code入門3

VS Code

コーディング初心者に贈るVS Code完全マニュアル第3弾!
拡張機能をフルに生かして難しいことを出来るだけ飛ばしてHTMLやSCSSを書ける環境を作ります。1弾インストールとセッティングは必須、2弾のスニペット、Git連携、ターミナルなどがわかっているとスムーズに理解できるかと思います。サンプルコード付きです!

この記事を書いた人

かみーゆ/フロントエンドエンジニア

資金ゼロからフィリピンで起業した海外ノマドエンジニア。IT業界10年以上でテクニカルディレクター(技術責任者)・エンジニア講師・ブリッジSEを経てLenzTechnologies Inc.を設立し、代表を務める。CMS concreteCMSエバンジェリスト。テックブログ以外も「磨耗しない人生」や「海外ノマド」のライフスタイルについて発信。好きなものは肉とハイボール。

この記事のゴール:VS Codeの拡張機能などを駆使してさらに便利にコードを書く

この記事ではサンプルをクローン、もしくはダウンロードしてVS Codeの各機能が使えるように練習できます。

第1弾のVS Codeがインストールされていることは必須、セッティングや拡張機能なども理解しておくとスムーズです。

初心者コーダーに贈る!超軽量高機能エディターVS Code入門1

コーディング初心者に贈るVS Code完全マニュアル第1弾!インストールから拡張機能、カスタマイズまで、コーディング初心...

スニペットに関しては第2弾に詳しく書いてあります。

初心者コーダーに贈る!超軽量高機能エディターVS Code入門2

コーディング初心者に贈るVS Code完全マニュアル第2弾!第1弾で快適にコーディングできるところまでセッティングしたの...

エディターの機能をフル活用しながらHTMLコードを書く

早速ですが、HTMLコーディングをしましょう。

テキトーにサイトを作ってみます。皆さんも一緒にやってみましょう!!

project/
  ├ index.html
  ├ style.scss
  ├ script.js
  └ img/
    ├ key-visual.jpg
    └ key-visual-sp.jpg

以下からファイルをクローンできます。VS Code入門2を参考にやってみましょう!

Emmetでサクッとhtmlテンプレを追加

index.htmlをコーディングします。

ファイルを開いたら拡張機能Live Serverを起動しておきましょう!ファイルを更新するたびにブラウザも更新され、リロードする必要がなくなります。これだけでも相当時短できます。

拡張機能 Live Server

VS Code入門2で作成した、HTMLテンプレのスニペットを追加します。

html:temp


展開コードはこちら。気持ちいいくらい秒殺です。

ちなみにEmmetのチートシートはこちら

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
  <head>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=edge,chrome=1">
    <meta name="viewport" content="width=device-width,initial-scale=1">
    <meta name="format-detection" content="telephone=no">
    <title>タイトル</title>
    <meta name="description" content="説明">

    <!-- style -->
    <link rel="stylesheet" href="style.css">
    <!-- js -->
    <script src="script.js" defer></script>
  </head>
  <body>

  </body>
</html>

header追加

headerにサイトタイトルとメニューを追加します。

header.l-header>h1.o-header-title{Camille Site}|c

展開後はこちら。

<header class="l-header">
  <h1 class="p-header-title">Camille Site</h1>
  <!-- /.o-header-title -->
</header>
<!-- /.l-header -->


メニューも追加します。
ここではEmmetだけではなく、拡張機能htmltagwrap短形選択を使ってみてください。

  • FEATURE
  • NEWS
  • CONTACT
  • LOCATION

ナビゲーションを展開して、中に上のテキストコピペします。

nav.o-global-nav

短形選択で全行選択します。 最初の行の先頭にカーソルが当たった状態で「Shift+Option(Win:Shift+Alt)」押しながら選択したいところまで下矢印を押します。 htmltagwrapは選択した箇所を特定のタグでラップできます。Shift+Cmd+矢印で「Option+W」で各選択箇所がpタグで囲まれるので、aタグに書き換えます。

さらに同じ要領で、liタグで囲みます。

最後にulタグで全体を囲んだら完成。

htmltagwrapを使うときの注意点です。入力モードが英数になっていることを確認の上やらないと記号Σ(シグマ)が入力されてしまいます。

main追加

mainタグを追加します。

main.l-main|c

展開後。

<main class="l-main">
</main>
<!-- /.l-main -->

さらにキービジュアルを追加しましょう。

キービジュアルはウィンドウ幅(スマホ・PC)に応じて画像の切り替えをしています。

pictureタグを使用したいのですがコードが長い

なのでスニペットを作っておくと便利です。

スニペットの追加方法はVS Code入門2を参考にしてください。

"picture": {
		"prefix": "pic:src:media",
		"body": [
			"<picture>",
			"  <source srcset=\"$1\" media=\"${2:(max-width: 798px)}\" />",
			"  <img src=\"$3\" alt=\"$4\" height=\"$5\" width=\"$6\" />",
			"</picture>"
		],
		"description": "pictureタグ用のスニペット"
	}

展開して、パスなどのコードを追加します。残念ながらsourceタグのsrcset属性には拡張機能のPath Intellisenseが効きません。。。

<main class="l-main">
  <picture class="p-key-visual">
    <source srcset="img/key-visual-sp.jpg" media="(max-width: 798px)" />
    <img src="img/key-visual.jpg" alt="" height="" width="" />
  </picture>
  <!-- /.o-key-visual -->
</main>
<!-- /.l-main -->

footer追加

フッターを作りましょう! 3つのタグの入れ子を一気に書きます。

footer.l-footer>p.o-copyright>small{(C)Camille Site}|c

これだけコンボすると気持ちいいです。

<footer class="l-footer">
  <p class="p-copyright"><small>(C)Camille Site</small></p>
  <!-- /.o-copyright -->
</footer>
<!-- /.l-footer -->
CSSが当たってない

index.htmlの全コード

行の折りたたみ機能を使おう!

VS Codeは不要なコードを行を折りたたんで隠すことができます。

邪魔なコードを隠す

必要に応じて隠せば、作業したい箇所に集中できます。

Sass(SCSS)でCSSを書く

Sassとは「CSSのメタ言語」と呼ばれるもので、CSSをより便利に記述するための言語です。

Sass(SCSS)を使うと、変数を使ってプログラムチックにコードが書けたり、ファイルを分けたりソースコードの管理もカンタンです。

Sass(SCSS)を使えるようにするため、拡張機能Live Sass Compilerをインストールします。

用意してなければ、style.scssファイルをワークスペース直下に追加し、ステータスバーにあるWatch Sassをクリックします。

Watch Sass

パーツごとにスタイルを分けて書く!

CSS設計をなんちゃってレベルで取り入れてコーディングしてみようと思います。

scssフォルダに_foundation.scss_layout.scss_object.scssの3つのファイルを作ります。

project/
  ├ scss/
  │ ├ _foundation.scss
  │ ├ _layout.scss
  │ └ _object.scss
  ├ style.scss
・・・省略

style.scssに各ファイルを読み込みます。*_(アンダースコア)*は不要です。

@import 'scss/foundation';
@import 'scss/layout';
@import 'scss/object';

保存すると、style.cssとstyle.css.mapが作成されます。style.css.mapはGoogleなどの開発者ツールでのデバッグに役立ちます。

コンパイル結果

foundationにコードを記述

foundationにCSSコードを書きます。ベーシックな共通のCSSはここに書きます。

// リセットCSS
@import url("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/meyer-reset/2.0/reset.min.css");

// 変数
$font-color:#333;
$font-family: "Helvetica Neue", "Helvetica", "Hiragino Sans", "Hiragino Kaku Gothic ProN", "Arial", "Yu Gothic", "Meiryo", sans-serif;
$header-height: 80px;//ヘッダーの高さ

// ベースの設定
html {
    font-size: 62.5%;
}

body {
    color: $font-color;
    font-family: $font-family;
    line-height: 1.8;
    font-size: 1.6rem;
}

img {
    max-width: 100%;
    height: auto;
}

Googleなどの開発者ツールでのデバッグすると、_foundation.scssの何行目にコードが書いてあることがわかります。

コンパイル結果

ヘッダー周りをコーディング

ヘッダーのレイアウトをコーディングします。_layout.scssに以下を記述します。

_layout.scssに記述するCSSはクラスの接頭辞にl-をつけています。

他のファイルも同様、接頭辞でどのファイルに記述してるかもわかるし、タグがレイアウトなのかオブジェクト(ナビやボタンなどのパーツ)ざっくりとした判断ができます。

headerの高さは*_foundation.scss*で設定した変数を使います。これでもしやっぱり高さを微調整したいって時に後ほど変更可能です。

.l-header {
    max-width: 1020px;
    margin: 0 auto;
    display: flex;
    padding: 0 20px;
    justify-content: space-between;
    align-items: center;
    height: $header-height;
}

ナビも整えます。ネスト(入れ子)が深くなりすぎないようにします。

.o-global-nav {
    height: 100%;
    display: flex;
    align-items: center;

    ul {
        height: 100%;
        display: flex;
        justify-content: end;
    }

    li {
        display: flex;
    }

    a {
        align-items: center;
        height: 100%;
        display: flex;
        text-decoration: none;
        color: $font-color;
        padding: 0 20px;
        position: relative;
        letter-spacing: .1em;

        &::after {
            content: '';
            display: block;
            height: 2px;
            width: 100%;
            position: absolute;
            left: 0;
            bottom: 0;
            background: #1cb335;
            transform: scale(0, 1);
            transition: .3s;
        }

        &:hover {
            &::after {
                transform: scale(.5, 1);
            }
        }
    }
}

スッキリしました^ ^

ヘッダー周りをスタイルング後

メイン(キー)ビジュアルを整える

メイン(キー)ビジュアルは謎のリゾート感を出すためにヘッダーを差し引いてウィンドウいっぱいにします。

.o-key-visual {
    height: calc(100vh - #{$header-height});
    display: block;

    img {
        height: 100%;
        width: 100%;
        object-fit: cover;
    }
}

footerを追加する

footerの追加します。_layout.scssに追記します。

.l-footer {
    padding: 10px 20px;
    text-align: center;
}

コピーライトの部分は部品と見なすのでスタイルを*_object.scss*へ記載します。

.o-copyright {
    letter-spacing: .1em;
    font-size: 1.2rem;
}

ざっくりですがこんな感じに仕上がりました。わーい。

ヘッダー周りをスタイルング後

Live Sass Compilerを設定する

設定、setting.jsonから設定を変更できます。

コンパイルの方法や出力先を指定できます。compressedにするとコードをガツンと圧縮できます。

"liveSassCompile.settings.formats": [ //Sassの出力内容の設定
  {
    "format": "compressed", //nested、compact、expanded(デフォルト)
    "extensionName": ".min.css", //デフォルトは.css
    "savePath": "/css" //デフォルトはnull
  }
]

ベンダープレフィックスの指定です。

"liveSassCompile.settings.autoprefix": [
  "last 2 versions",
  "ie >= 11",
  "Android >= 4",
  "ios_saf >= 8"
]

コンパイル対象外にしたいときはこんな感じ。

test/以下のファイルは対象外にできます。

"liveSassCompile.settings.excludeList": [
  "test/**"
]

vscode-live-sass-compilerのドキュメントを参考にするといいかも!!

JavaScriptでスマホ用のナビゲーションに変えてみる

JavaScriptも書いてみましょう!

せっかくなのでスマホ用メニューを作ってみましょう。ナビ周りのコードを変更します。

<nav class="o-global-nav js-toggle-nav">
  <button class="js-toggle-nav-btn o-global-nav-btn" aria-label="ナビゲーションボタン"></button>
  <ul>
    <li><a href="#">FEATURE</a></li>
    <li><a href="#">NEWS</a></li>
    <li><a href="#">CONTACT</a></li>
    <li><a href="#">LOCATION</a></li>
  </ul>
</nav>

script.jsファイルにボタンをクリックしたらナビとボタンにクラスがつくように調整。

"use strict";
// ボタンとナビゲーションを取得
const nav = document.querySelector(".o-global-nav");
const btn = document.querySelector(".o-global-nav-btn");

//ボタンクリックで開閉
btn.addEventListener("click", () => {
  nav.classList.toggle("open");
  btn.classList.toggle("open");
});

変数とmixinを*_foundation.scss*に追加します。

$breakpoints: (
  'sm': 'screen and (min-width: 400px)',
  'md': 'screen and (min-width: 768px)',
  'lg': 'screen and (min-width: 960px)',
  'xl': 'screen and (min-width: 1170px)',
) !default;

@mixin mq($breakpoint: md) {
  @media #{map-get($breakpoints, $breakpoint)} {
    @content;
  }
}

上記コードはプロジェクトごとにヘビロテしているので

scss用のスニペットも作っておくと便利です。

"Media Query": {
  "prefix": "mq",
  "body": [
    "@include mq(\\$breakpoint: ${1:md}) {",
    "  $2",
    "}//Media Query"
  ],
  "description": "メディアクエリ用スニペット"
}

_object.scssを変更します。

まずはボタンのスタイリング。

.o-global-nav-btn {
    border: none;
    position: fixed;
    top: 30px;
    right: 15px;
    width: 30px;
    height: 26px;
    background: none;

    //ボタン
    &::after,
    &::before {
        position: absolute;
        background: #1cb335;
        content: '';
        height: 2px;
        width: 100%;
        left: 0;
        display: block;
        transition: transform .3s;
    }

    &::before {
        top: 0;
        box-shadow: 0 12px 0  #1cb335;
    }

    &::after {
        top: 24px;
    }

    //開閉時のアニメーション
    &.open {
        &::before {
            top: 0;
            box-shadow: none;
            transform: rotate(45deg) translate(9px, 9px);
        }
        &::after {
            top: 24px;
            transform: rotate(-45deg) translate(8px, -8px);
        }
    }

    @include mq($breakpoint: md) {
        display: none;
    }//Media Query
}

ナビゲーションのスタイルを変更します。

.o-global-nav {
    z-index: 2;
    position: fixed;
    right: 0;
    top: $header-height;
    height: calc(100vh - #{$header-height});

    &.open {
        ul {
            transform: translateX(0);
        }
    }

    ul {
        position: relative;
        transform: translateX(100%);
        background: rgba(#fff, .3 );
        padding: 20px 30px;
        transition: .3s;
        height: 100%;
    }

    a {
        text-decoration: none;
        color: $font-color;
        height: 30px;
        margin-bottom: 10px;
        display: flex;
    }

    //PCの設定はすべてここへ
    @include mq($breakpoint: md) {
        background: none;
        position: inherit;
        height: 100%;
        display: flex;
        align-items: center;

        ul {
            height: 100%;
            display: flex;
            justify-content: end;
            background: none;
            padding: 0;
            transform: translateX(0);
        }

        li {
            display: flex;
        }

        a {
            align-items: center;
            height: 100%;
            display: flex;
            margin-bottom: 0;

            padding: 0 20px;
            position: relative;
            letter-spacing: .1em;

            &::after {
                content: '';
                display: block;
                height: 2px;
                width: 100%;
                position: absolute;
                left: 0;
                bottom: 0;
                background: #1cb335;
                transform: scale(0, 1);
                transition: .3s;
            }

            &:hover {
                &::after {
                    transform: scale(.5, 1);
                }
            }
        }
    }//Media Query
}

ボタンがついてトグルメニューになりました!わーいわーい\(^o^)/

長いコード一気に削除したい時の裏ワザ

ナビゲーションのようにコードが長くなってしまった時は、VS Codeの機能「行の折りたたみ機能」を使って、行をたたんでまとめて削除すると早いです!
スマホメニューと開閉ボタン

以下からソースコードは落とせるので、興味がある方は確認してみてください。

まとめ

VS Codeを使えば、Gulpなどを使って複雑なタスクランナーを組まなくても十分にコーディングできます!!

まずはEmmetやCSSを書けるようになりましょう。

CSS設計に興味がある方はこちらを参考にCSS設計 私のためのFLOCSSまとめ

記事が鬼長くなってしまいましたが、この記事が皆さんのコーディングライフの一助となれば幸いです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。