私はフロントエンドエンジニアで制作する傍、職業訓練校の講師もしてます。Webクリエイタをしていて日々思っていることとWebクリエイタをこれから目指す人に伝えたいことを綴ります。この意見は私の一個人の見解で、会社とは関係ない旨だけ先に言っておきます。

神守 由理子/フロントエンドエンジニア
誰だって必ず最強の武器を持っている
うちの訓練では主にコーディングやデザインを学ぶのですが、コードを触ったりデザインソフトに触れたりと、初心者の方にとっては相当大変だったと思います。
正直にいうと、最初私もWebクリエイタを育てなければならないという、プレッシャーもありました。
コーディングやデザインができなくても、Web業界では生きていける
実はWebでの仕事って制作に限らなければ、SEO対策、コンテンツ制作、Web解析など、たくさんの種類あります。
もし、コーディングやデザインを学んでみて難しければ、視点を変えて別の仕事に目指すのもありです。
制作は苦手でも、人の力を借りるのが得意だったり、誰にも真似できない企画力がある人もいます。それは十分な強みです。
クリエーターを目指して、デザイン、コーディングをやってみたら思いのほかできなくて落ち込むこともあったと思いますが、そんなことは気にしなくていいと思うんです。
誰にでも絶対に強みってあるんですから、強いところで勝負して再就職を目指せばいいと思います。
弱みよりも強みを伸ばしてもっと自分の力を信じる
自分の欠点ばかり探して劣等感に苛なまれてませんか。
評価は他人が決めること。自分ではないんです。思っている以上に良いところがあって欠点なんてほんの僅かだということを他人は気づいています。
自分の強みを知っていますか?
自分の強みを知って伸ばせば最強の武器になるんですよ。
そして、今までの異業種で得た経験も大きな付加価値です。他社で学んだ、ビジネスマナーや仕事のスケジューリング、クライアントとの交渉術、オフィス製品を使いこなすスキルなど。みなさんきっとたくさんの付加価値を持っているはずです。
プラス自分の独自の人間力もあるはずです。弱みなんて強みを伸ばしていけば消えていきます。
だから、みんな自信を持ってください。
いい意味で身の丈を知る
先ほども述べた通り、誰しもが最強の武器を持っています。
私は、今でも新しい案件をやる時はついでに新しいことにチャレンジしたりと、自分に課題を課します。
少し努力すればできることを探してやると自分の技量がパワーアップして自分の価値が上がるからです。
そして社内でナリッジシェアすればみんなの技量も上がるし、制作物のクオリティも上がり、会社そのものの価値も上がります。
自分の技量を俯瞰し、見極めどんな新しいスキルセットを身につけばいいかを判断していけば良いと思います。
一つ言いたいのは、自分の限界を決めないで欲しいということです。
今まで色んな人を見ていて伸びしろはわりとマインドの問題もあったりします。
「自分には出来ない」「難しい!」と決めつけてしまうと、せっかくの成長のチャンスを逃してしまう可能性があります。
自分を過大、過小評価しない。
色眼鏡は外して、ありのままの自分を見ましょう。
やりたくないことを避けるより、どうやったら楽しめるかを考えたほうが幸せになれる
考えてみれば人生は理不尽だったり嫌なことは避けては通れないものです。
昔の私は自分やりたいことをしたいなら倍嫌なことをするという変な哲学がありました。ネイリストになった時、必要に迫られてメイクやエステを勉強することを受け入れたのもそのためです。今ではそんなことないと思いますが。
嫌なことをイヤイヤやれば、2倍も3倍もイヤになります。
人の思考にはそれぞれクセがあって約97%無意識に頭の中でループされます。
人の思考のクセはそれまでに生きてきた環境や経験が違うので個人差があります。大雑把に言うとネガティブだったり、ポジティブだったりするものです。
でもこれって、実は直せるんですよね。ネガテイブな思考が回り始めたことに気がつけるようになったら他のことを考えるようにするだけでいいんです。最初のうちは、今日の晩ご飯何食べたいかなでも良いです。
もっと踏み込むことができるなら、少し視点を変えてどうやったら楽しめるかを考えてみると毎日の見えているものも変わってくるはずです。
一番もったいないのは『自分はこうだ!』と決めつけてしまうことです。
自らの可能性を頑固頭が潰してしまうなんてもったいない。
意外と人って変われるものですよ。
リスクと上手く付き合う
人生リスクはつきものです。私もフリーランスの頃何度も痛い目に遭いました。
どの世界にもリスクはあります。リスクと遭遇することは覚悟して下さい。
Web制作の現場において、
納期に対して制作期間を見誤ると致命傷を負います。
自分だけでなくチームの技量を把握するべきです。
たとえ、3日で構築できるものでも不測の事態を予測して予備日を何日か用意しておく。余裕があればリカバリできますから。特にディレクター志望の人は絶対に伝書鳩しちゃダメですよ。ディレクターになりたい人こそ制作の要(かなめ)です。
判断を見誤ったら、軍隊(制作部隊)が全滅します。
軍師であることを心して欲しいものです。
優れたクリエイタだからといって優れた指導者になれるとは限らないと思い知る
私が優れているわけではないですが、これは自分自身の自戒です。
講師の仕事をしていると色んな生徒さんがいます。最初はフォルダの整理やデータのダウンロードなどのパソコンの基本操作でも手間取ります。
見慣れないアルファベットや、ダブルクォーテーション、セミコロンという記号ですら普段の生活でほとんど使ったことのない人だっています。
私は今となっては息をするようにコードを当たり前のように書いていて、そういう頃が大なり小なり自分にもあったことを忘れてました。
優れた指導者とは、生徒さんの目線まで降りれる人なんだと最近は思えるようになりました。
出来すぎる人は出来ない人の視点まで降りる事が出来ないから、このくらいできるだろ!という感じでハードルの高いところから教えてしまうんです。
ハードルが高いとよほど根性があるか、地頭が良くないと学ぶことがストレスになります。結果やっていることがキライになってしまうんです。
コーディングは想像以上に初心者にとって、かなりハードル高いことが多いことを思い知りました。
分からないことをどう分からないか理解できるように努力しようと思います。
恩が返せないなら誰かに送ればいい
私はこの業界に入ってたくさんの人に助けてきてもらえました。VagrantやGulpでタスクが作れるようになったのもそのおかげです。
私がお世話になった人は、高いところにいてついていくのがやっとです。とはいえ、今の私がいるのはあの人たちのおかげと声を大にして言えます。
私みたいな一介の力無いWebクリエイタがここまで成長できました。 そんな人たちに私はボーナスが出たら焼肉を奢るぐらいしかできないんですよね。
焼肉じゃ足りない笑
だから、当時の私のように困っている人を助ける。もらった恩がとても大きくて返せないので誰かに送ることにします。
被害妄想に振り回されるな
最近被害妄想ほど厄介な感情はないと思います。なんと言っても妄想ですから。
どうせこう思っているんでしょ?
とか、自分の思い込みで不幸になるのって人生かなり損してますよ。
とりあえず思い込みは捨てて、事実と現実に耳を傾けてください。 誰かにそんなこと思われていてもそれがどうしたぐらいの気持ちでいた方が 人生はラク。 人生の主役は誰でもなく自分です。悲観しながら他人の評価ばかり気にしていたら精神がすり減り実力も発揮できなくなります。
プライドなんぞ捨てろ
長く生きているのでプライドに振り回されている人を山のように見てきました。 ここでいうプライドはどちらかというと誇りではなく、マウントしたい欲求といったほうが近いです。
業界が変わって色んな人がいましたが、しょうもないプライドのせいで損している人が沢山います。
特にビジネスチャンスを逃しています。
人は多かれ少なかれ支配したい本能に振り回されているんだと思います。 欲求に振り回されず、利益や現実を直視した方が幸せになれます。
そんなにマウントしたいならスキルを磨けばいいんです。
自分の人生を人に委ねるな
絶対にやっちゃいけないこと。それは人のせいにすることです。
転職したのも、学校に通ったのも全て自分の責任です。
何かのせいにしていると、負の感情の泥沼から抜け出せなくなります。
忘れないでください。すべては自分の決めたことです。
8年くらい前、私も自分のキャリアが死んで行き、こんなキャリア捨ててやると転職を決めました。
正直苦渋も舐めてきました。とはいえ、転職してからの出会いはイヤなことも含めて学びは多いです。
イヤな想いをして悔しかったからこそ頑張れた部分もあります。
もし自分の人生を誰かに委ねてしまっても決して文句は言わないで下さい。自分の選んだ道は自分で責任を取る。たとえ不本意でも。
人のせいにせず、己の正直に身の丈を知り出来ることを頑張る。いたってシンプルですが、続けるだけでネガティブな感情からは抜け出せます。
最後にリスタート組のWebクリエイタを目指す方にエールを
最近私が思っていることをぶちまけた感じになりました。
一番大切なのは自分のマインドなのだと思います。
人生は自分のマインド次第で幸・不幸が変わると思います。
仕事している時間が人生で一番長いと思います。だからこそ、その仕事中を一番楽しく充実した時間を過ごすことを願っています。
少しでも良い職場に出会えることを願います。